カニ鍋セットを手にする中脇喜一郎社長(左)と三浦淳社長=松江市伊勢宮町、魚清
カニ鍋セットを手にする中脇喜一郎社長(左)と三浦淳社長=松江市伊勢宮町、魚清

 新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の適用などで外食需要が減少する中、松江市内の卸売業2社が家庭向けのカニ鍋セットの販売を始めた。昨年に続く企画で、消費の受け皿を失った松葉ガニなど高級食材を手頃な価格で提供し、生産者の支援につなげる。

 企画したのは、水産卸小売りの魚清(松江市伊勢宮町、三浦淳社長)と青果卸の中脇喜一郎商会(同市末次本町、中脇喜一郎社長)。

 感染第6波を受け、取引先の飲食店や宿泊施設からの受注が年明けから減少。まん延防止等重点措置の適用により休業や時短営業が増え、苦境にあえぐ生産者の声も届くようになり、昨年好評だった鍋セット販売を復活させた。

 隠岐産の松葉ガニ3匹(約1キロ)と、白菜やシイタケ、春菊、コメなど農産品10品の詰め合わせで販売価格は1万円。そば付きの1万2千円もある。

 カニは鮮度が高く、農産品も本来ならば旅館やホテルに納める品質水準のものを選ぶ。三浦社長は「価格以上の価値を実感してもらえると思う」と品質に自信を示し、中脇社長も「生産者が丹精込めて作った野菜を多くの人に食べてほしい」と話した。

 注文は魚清のホームページから。今月下旬まで販売する。仕入れ状況などで注文を一時停止することがある。

  (部田寛孝)