コウヤマキの苗木を軽トラックの荷台に積み込む松中剛さん=島根県吉賀町有飯
コウヤマキの苗木を軽トラックの荷台に積み込む松中剛さん=島根県吉賀町有飯

 5月30日に大田市で開催される第71回全国植樹祭で天皇陛下が植樹される「コウヤマキ」の苗木の出発式が10日、島根県吉賀町有飯のコウヤマキギャラリーであった。同祭50日前イベントとして県実行委員会と地元の生産者団体、同町が主催。関係者が軽トラックの荷台に苗木を積み込み出席者が万歳三唱して見送った。

 吉賀町には本州南限のコウヤマキ自生林約60ヘクタールがあり町木に指定。円すい形の樹形が美しいことから公園や庭園に植えられており、秋篠宮さまの長男悠仁さまのお印としても知られる。

 苗木は同町有飯の生産者、槇田光男さん(74)が丹精して育てた9~10年生の10本。水やりや植え替え時期に配慮し、高さ70~80センチに育てた。

 この日は槇田さんのほか県実行委会長の丸山達也知事、岩本一巳吉賀町長、地元住民ら約60人が出席。槇田さんが「お手植えの木にコウヤマキが選ばれ、生産者にとって光栄で励みになる」とあいさつした。

 続いて、自生林所有者18人でつくるコウヤマキ保護育成会の松中剛副会長(66)=吉賀町有飯=や地元で毎年8月に自生林の観察会を開くたんぽぽの会の実吉(じつよし)好子会長(70)=同=ら3人が軽トラックの荷台に苗木を積み込み、岩本町長の音頭で万歳三唱して送り出した。

 苗木はいったん県立緑化センター(松江市宍道町佐々布)に運ばれて管理され、大会直前に大田市に運ばれる。10本のうち1本がお手植えとなり、残る9本は当日の出席者が植樹するという。

       (中山竜一)