当選確実の報を受け、祝勝会会場で花束を手に喜ぶ飯塚俊之氏
当選確実の報を受け、祝勝会会場で花束を手に喜ぶ飯塚俊之氏

 任期満了に伴う出雲市長選が11日、投開票され、無所属新人で元市議の飯塚俊之氏(55)=自民、公明推薦=が、ともに無所属新人の小豆沢貴洋氏(46)、川光秀昭氏(62)を破り、初当選した。12年ぶりの新市長誕生となる。投票率は2017年の前回選を0・36ポイント下回る63・11%だった。


 飯塚氏は自民党島根県連、公明党島根県本部のほか、連合島根、市農政会議など約90団体の推薦を得て、組織戦を展開。6人の自民党県議が前面に立って支えた。


 告示後は、市内全域の計98カ所で街頭に立ち、知名度不足を挽回。3期12年の市議経験を基にした即戦力をアピールし、中山間地域や海岸部の人口減少対策、農林水産業の振興策、再生可能エネルギーを活用した循環型社会の実現を訴えた。


 11日午後10時ごろ、当選確実の情勢となり、飯塚氏が市内のホテルに設けた報告会場に入場。駆け付けた約200人の支援者と喜びを分かち合った。


 建設会社社長の小豆沢氏は、経営者仲間や旧出雲市出身の市長誕生を望む市民の支援を受け、教育改革や子育て支援、福祉施策の充実を訴えて追い上げたが及ばなかった。


 新市立体育館の整備事業の再検討を掲げた元市議の川光氏は、出遅れが響き、支持を広げられなかった。


 投票は78カ所で、午前7時から午後7時(一部は午後6時)まで実施された。開票は午後8時45分から、同市斐川町荘原の斐川第1体育館で行われた。


 当日有権者数は、14万61人(男6万7033人、女7万3028人)。

飯塚 俊之(いいつか・としゆき)
(55歳、無新)
 米販売会社役員。日本青年会議所島根ブロック協議会長、平田商工会議所副会頭などを歴任。2009年の出雲市議選で初当選し、3期目途中の1月末に辞職した。同市平田町。明治大経営学部卒。当選1回。

飯塚俊之氏の話 最優先課題の新型コロナウイルス対策は、医療提供体制の確保と地域経済の下支えを進めていく。「オール出雲」の市長として、脱炭素社会の実現やデジタル化の推進など新しい側面を市政にしっかりと取り入れ、前へ進めることを約束したい。