浜田漁港のブランド魚「どんちっちアジ」の認定に活用する脂質測定器の新型が完成した。島根県水産技術センター(浜田市瀬戸ケ島町)が静岡県の光学機器メーカーと共同で開発。従来器と比べ測定精度と使い勝手を向上させた。
どんちっちアジは脂質含有量を測定し、平均10%以上をブランドの認定基準としている。
従来器が生産中止となったことを受け、同センターと光学機器メーカーのオプトメカトロ(浜松市)が2014年から開発を進めてきた。新型の測定器は従来と同じく、近赤外線を照射し、脂質量によって変化する光の吸収量で判別する。これまでは使用する複数台の機器ごとに測定値に差が生じ、補正が必要だったが、改良によって誤差をほぼなくした。
測定したデータは無線通信でつながる専用端末に自動で記録し、測定と記録が1人でできるようになる。1匹当たりの測定時間は5秒程度。本体サイズは縦7・9センチ、横12・9センチ、重さ300グラムと従来比で小型軽量化した。
価格は約120万円。浜田市の官民でつくる市水産物ブランド化戦略会議が3台を導入し、今シーズンの認定に向けて今月から測定している。
同センター利用化学科の開内洋科長(52)は「新脂質測定器で公開データの信頼性向上につなげ、ブランド価値を高めたい」と話した。(村上栄太郎)