鳥取市長選に共に無所属で立候補した現職・深沢義彦候補(69)、新人・塚田成幸候補(58)に政策や政治姿勢についてアンケートを行った。6項目の回答を2回に分けて掲載する。
 (届け出順。各250字以内で回答してもらった)

安心安全】全国で災害が相次ぎ、防災のニーズは高い。新型コロナウイルス禍で顕在化した社会的弱者の支援も急務。安心安全な暮らしをどう実現するか。

▽深沢義彦候補
 近年の災害は激甚化が進み、災害対応の高度化や、きめ細やかさが求められ、災害に強いまちづくりは、一層重要度を増している。市民の皆さまの生命と財産を守るため、「自助」「共助」「公助」を柱とし、自主防災会の育成や浸水対策の実施、避難行動要支援者に対する支援制度の普及促進など、防災・減災に向けた取り組みを市民や関係機関との協働により推進していく。また、災害情報の収集や発信にデジタル技術を活用し、市民の迅速な避難行動につなげるなど、誰一人取り残さない災害に強いまちづくりに取り組んでいく。

▽塚田成幸候補
 避難所は誰もが身近で歩いて避難できるよう、また感染拡大防止の上でも数多く設置。防災用具も各所に配置する。そのためにも正規職員の増員は必要。高齢者、障がい者を取り残さないよう避難訓練に取り組む。防災放送が聞き取れるよう戸別受信機の設置を進める。土砂災害などを防ぐため、盛り土や掘削などの制限設定と監視を行う。気候変動による豪雨災害も頻発。二酸化炭素(CO2)削減に積極的に取り組み、河川浚渫(しゅんせつ)などの事業を国に強く要求する。感染対策として保健所や総合支所の職員を増員して医療機関との連携を進める。島根原発稼働に反対。

人口減少対策】少子高齢化が進む中、持続可能なまちづくりをどう描くか。また、子育てや移住定住策など人口減少対策の取り組みは。

▽深沢義彦候補
 本市の人口減少対策では、特に転出超過が著しい若年層の増加対策が重要と考える。そのため、地方創生の取り組みを充実強化し、結婚・妊娠・出産・子育て・教育などへの切れ目ない支援、また成長産業の育成はもとより、求められている事務系企業の誘致など、若年層の定住促進につながる取り組みを一層推進していく。一方、高齢者人口の急速な増加に伴い、医療や介護、福祉など多様な地域ニーズに対応する重層的支援体制の構築も重要。誰もが「暮らしやすく、住み続けたいまち」になるよう、こうした施策を総合的に推進していく。

▽塚田成幸候補
 派遣労働自由化など国の施策による労働者の賃金低下で、出産・子育てをためらうなどして少子化が進んだ。さらに鳥取では地域格差が広がり、人口流出も進んだ。解決のためには、まず中小零細業者への支援と合わせ、全国一律最低賃金時給1500円以上を国に強く求める。移住定住だけでなく、これまで地元で頑張ってきた事業者への支援をさらに手厚く行う。業者の事業を維持・発展させるために相談活動に積極的に取り組む。住民一人一人が大切にされていると感じられる行政にすることを柱に、生活と生業を守る市政を目指す。

圏域の将来像】鳥取県東部5市町と兵庫県北部2町の「麒麟(きりん)のまち圏域」のリーダーとして圏域の発展や鳥取市の役割をどう考えるか。

▽深沢義彦候補
 全国的に人口減少が進む中、地域経済の縮小や、公共サービスの持続的な提供などが懸念されている。そのため、古くから生活圏・経済圏を一体とする麒麟のまち圏域の1市6町が連携し、これまでも移住定住促進、観光振興、医療・福祉などの各施策を推進してきた。将来にわたり住民サービスの水準を維持するためには、現在の連携を一層強化していくことが必要であり、引き続き本市がけん引役となり、圏域全体の活性化・発展に向けて積極的に取り組んでいく。

▽塚田成幸候補
 圏域内で一番大きな自治体であるだけに、お互いに意見や要望を尊重し合う、対等平等な連携づくりに努力する。住民の福祉、福利の前進のための交流、また美しい自然や文化遺産などを生かした観光施策などを重視し共働を進める。医療や災害対応など、率先して協力・共働する。町づくりでも周辺地域との経験交流をすすめ、住民一人一人の意見や要望が反映された行政を実現するよう協力し合う。