中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)について、出雲市の飯塚俊之市長が25日、再稼働に同意すると表明した。中電、島根県、国に対して付帯意見を付けた。原発30キロ圏に入る2県6市のうち、島根県知事を除く首長の同意方針が出そろったことになる。
3月定例市議会後の全員協議会で飯塚市長は、2号機が現状で最大限の安全対策が講じられ、避難対策は国が了承していることを評価。現時点で再生可能エネルギーのみで電力需要を賄うのは難しく、安全確保を前提に原子力発電が必要とした。
取材に対し「安全性は再稼働の大前提で、その上で原発の必要性と住民の避難対策が判断の大きなポイントになった」と話した。
付帯意見は、中電に対して立地自治体並みの安全協定の早期締結など8項目、県には広域避難計画の実効性向上など2項目を挙げた。国には、原発への依存度の低減、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に関する取り組みの着実な進展など7項目を求めた。島根県の意見照会に対する回答は月内を予定し、中電には付帯意見を直接手渡す。
市は2号機の審査合格後、住民や有識者から意見を聴取し、2月には市議会から条件付きの再稼働容認の報告を受けていた。
市議会は25日、市民団体が再稼働の是非を問う住民投票の実現を目指して請求した条例案を29人(議長を除く)で採決し、賛成5人、反対24人の賛成少数で否決した。
2号機の再稼働を巡っては、立地自治体の松江市長が2月に事前了解し、周辺自治体では鳥取県知事と安来、米子、境港3市長が同意。雲南市長も同意の考えを示し、28日に市議会に諮問する。島根県の丸山達也知事は鳥取県や周辺自治体5市、県議会の意見がそろってから結論を出す考えを示している。
(松本直也)