衰え知らずの直球は健在だ。ソフトバンクの和田毅投手(41)はプロ20年目の今季も先発陣の一角として活躍が期待される。無名だった学生時代から地道に階段を上ってきた左腕。大ベテランとなった今も「野球にだけはうそをつかない」との姿勢は変わらない。

▼努力の天才

 大学野球で活躍した父の影響で、6歳で野球を始めた。中学時代まで目立った実績はなく、島根県の強豪、浜田高に入学後最初に用意したグラブは外野手用だった。2年からはエースとして夏の甲子園大会に出場したが、プロ入りを意識することはなかった。

 早大に進学直後の新人戦では、自信をもって投じた速球が130キロに満たず「投手として才能がないんだなと正直思った」と壁にぶつかった。しかし、この...