平井伸治知事(資料)
平井伸治知事(資料)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、鳥取県の平井伸治知事が21日、4月末からの大型連休中に、帰省を含めた県外との往来自粛を県民に求めない方針を示した。国の方針を踏襲し、自粛を求めた島根県の丸山達也知事とは対応が分かれた。県境をまたぐ移動の場合は、人混みを避けるなどの対策徹底や帰県後の検査を要請した。

 定例会見で平井知事は、感染力が強いとされるオミクロン株の亜種「BA・2」が県内に入り込み、過去の感染の波のように感染者数をゼロとすることが困難との認識を示した。「ある程度感染が残るが、経済社会を回していく工夫ができないだろうか。挑戦に入っていくべきと考える」と述べ、社会経済活動を活発化させる必要性を強調した。
 県内では感染経路不明者が増えつつあるものの、病床使用率は10%台を維持。観光客など旅行を起因とする感染拡大のケースが県内で確認されていないことを踏まえ、往来自粛を求めない判断をしたことを説明した。帰省した家族や友人と会食する場合は特に注意するようを呼び掛けた。

 島根県と対応が異なる点については「県内の感染状況を見て判断した」と述べた。島根県は過去の連休後に感染拡大の波が大きくなる傾向があり、BA・2への置き換わりが進めば県内の医療提供体制への負荷が増す可能性あると判断し、県民に往来自粛を求めた。
 平井知事はこのほか、屋外で2メートルの距離が取れる場合にはマスクを外す事を認めるなど、感染防止のガイドラインの見直しも表明。飲食店などで自粛を求めていた大皿や立食形式の料理提供、トイレのハンドドライヤーの使用も認める方針で、関係者の意見を聞いた上で改訂を進める。
      (藤井俊行)