任期満了に伴う5月22日告示、29日投開票の江津市長選まで1カ月となった。いずれも無所属新人で、元国会議員秘書の中村中氏(43)=江津市嘉久志町=と、元島根県議の山本誉氏(64)=同市和木町=が立候補を表明し、一騎打ちの公算だ。議員経験があり知名度に勝る山本氏に対し、中村氏は自民党支持者を中心にした強固な組織力で浸透を図る。 (村上栄太郎)

 中村氏は、浜田市を拠点に自民党の故竹下亘氏らに18年半仕え、2月に名乗りを上げた。自民党県連、公明党県本部のほか、市建設業協会や県看護連盟など11団体の推薦を取り付けた。財政再建を進め今期限りで引退する山下修市長(73)=2期=の政策継承を訴え、保守系の県議や市議、地元経済人による組織戦を展開する。

 ただ、陣営は浸透が不十分との認識だ。2日にあった総決起大会で自民党の舞立昇治参院議員(46)=鳥取・島根合区選挙区=が「知名度抜群の相手候補に確実に負けている」と危機感をあらわにした。ミニ集会や企業回りで巻き返しを図る。

 山本氏は、地元の青果物卸売業の会社会長らから要請を受けて、3月に出馬表明。江津市議を5期途中まで、江津選挙区選出の県議で1期、それぞれ活動し、豊富な経験が強みだ。かつて社民党県連代表、立憲民主党県第2区総支部代表を務めた。知名度の高さを生かし「草の根」での支持拡大を狙う。

 幅広く支持を得るため、3月末に立民の党籍を更新せず、党派色を薄めたが、票固めにどう影響するのか見通せない。組織力に劣る中で、連合島根の推薦を受け、市内の労働組合に支援を働きかける。老朽化が進む図書館の早期整備などを掲げ「変革」を訴えて浮動票の取り込みを進める。

 旧市庁舎の活用、市西部の小学校再編など、山下市長が積み残した課題への具体的な言及は、両者とも現時点ではなく、政策論争は深まっていない。共産党は同時実施の市議選に集中するため候補擁立を見送り、自主投票とする方針だ。