観光船のエンジンオイルなどの点検を行う乗組員=松江市島根町加賀
観光船のエンジンオイルなどの点検を行う乗組員=松江市島根町加賀

 北海道・知床半島沖のオホーツク海で乗客乗員26人が死亡・安否不明になっている観光船事故を受け、山陰両県の観光船運航の事業関係者が25日、あらためて運航に関する安全基準の順守や船の日常点検を徹底することを確認した。

 島根県隠岐諸島・島前周辺で観光船を運航する隠岐観光(島根県西ノ島町浦郷)の竹谷実社長(71)は「あってはならないことだ」と語気を強めた。

 海上の状況は、陸の天候とは全く違うことが少なくないといい、同社は外海に出る際は細心の注意を払う。1日3回の運航で各船長が先発の船や陸にいる運航管理者と常に情報交換しながら、運航するか否かの判断をするという。

 知床半島沖の事故は、海がしける中で無理な運航判断が事故につながった可能性が指摘されている。観光船の運航上のルールとなる「安全管理規則」を自ら定め、各地の運輸局に許可を得る必要があるという。

 鳥取県岩美町の浦富海岸で観光船を出している山陰松島遊覧(鳥取県岩美町大谷)では、波が1メートルを超す場合は出航しないと規則で決めている。川口博樹社長(54)は「船長が出ると言っても基準を超えればできない。逆に会社が運航を命じても、船長は自身の判断でやめることもできる」と説明する。

 安全点検を再徹底する動きも強まっている。島根半島を巡る、加賀潜戸遊覧船(松江市島根町加賀)は25日、国土交通省から船の緊急安全点検の実施する通達が届いた。今後、島根運輸支局担当者が点検に訪れるといい、来海賢一安全統括管理者(73)は「冬季の運航休止期間もメンテナンスをしてきたが、あらためて日々の点検に万全を尽くしたい」と話す。
 (勝部浩文、井上雅子)