オープンした直売所で来店客(右)にイワガキを薦める永見輝晃さん=松江市島根町野井
オープンした直売所で来店客(右)にイワガキを薦める永見輝晃さん=松江市島根町野井

 横浜市から松江市島根町野井にIターンし漁師になった永見輝晃さん(34)が29日、野井地区の野井漁港近くに、地元産のイワガキの直売店を開いた。地元の海の幸を発信するシンボルタワーと位置付け、住民や来店客の集いの場としても活用する。

 永見さんは元々横浜市に住み建設会社に勤務したが、新型コロナウイルス禍をきっかけに2020年9月に島根に移住。島根町の野井定置漁業に入社し、イワガキの養殖や定置網漁に取り組む。

 昨年4月ごろに海産物のインターネット販売を始め、売り上げが上々だったことから野井産の魚介類のニーズの高さを実感。臭み苦みがなく新鮮なミルクのような野井のイワガキを、じかに見てもらえる拠点を設けようと考えた。

 イワガキの漁期に合わせて開くことにし、自宅離れをリフォームして直売スペースを設置。水揚げして間もない700グラム~1・3キログラムの大ぶりのイワガキ140個をそろえた。価格は400~千円。野井の海景を堪能しながら住民や来店客が交流できるよう、生ガキ・蒸しガキのセットなど料理メニューも用意した。

 訪れた松江市東出雲町揖屋の看護師吉田静希さん(45)は700グラムほどのイワガキを5個購入。「こんなに大きなイワガキは初めて見た。家族で食べるのが楽しみ」と喜んだ。永見さんは「採れたての自然の恵みを多くの人に味わってもらいたい」と話す。

 店は今後は毎週日曜、午前10時~午後3時に開く。30日は午前11時に開店。取り置きもできる。連絡先は永見さん、電話080(6379)9324。メールはeikoumaru.iwagaki@gmail.com

 (佐貫公哉)