短歌 寺井淳選

お昼寝のふとん荷台に父と娘は朝日浴びつつ園へと向かう     浜 田 米谷 昌子

 【評】保育園への登園の場面、自転車の荷台と読みました。初二句が申し分のない一日の始まりを描いています。「荷台」という言葉が昭和の雰囲気も漂わせて、素敵な光景です。

久方に幸ちゃんに逢うデイの部屋乾杯にハグ落ちつかずいる    雲 南 高橋 綟子

 【評】コロナ禍でデイサービスに通うのもままならなかった日々が背景にあるのでしょう、「久方に」の一語でそれが解ります。うれしさの中に「落ちつかずいる...