利用客と会話する森脇香奈江さん(中央)=松江市八雲町熊野、安分亭
利用客と会話する森脇香奈江さん(中央)=松江市八雲町熊野、安分亭

 松江市の元地域おこし協力隊員でつくる合同会社弐百円(松江市西川津町)が、同市八雲町熊野の遊休施設を改装し、イノシシ肉料理を出す飲食店「安分亭」を27日、開店させる。店員の高齢化で閉店を余儀なくされた前経営者の思いを引き継ぎ、畑を荒らす厄介者を有効活用した憩いの場を目指す。

 木造平屋の店舗(63平方メートル)に23席を用意。町内の解体場を運営する八雲猪肉生産組合から仕入れ、定食形式のそぼろ丼やグリーンカレーなどを650~900円で出す予定にしている。営業日は金、土、日曜の午前11時~午後3時。

 建物は市が所有し、2012年から地元農家が中心となってレストランを営業していたが、21年末で閉店。前オーナーで地元農家の藤原誠さん(72)から出店打診を受けた同社が、市の公募に呼応した。

 狩猟免許を持つ代表社員の森脇香奈江さん(41)は、協力隊員としてイノシシ肉の特産化に取り組み、18年に仲間とともに起業。ソーセージなどを商品化した。

 17日にあった試食会で、そぼろご飯を食べた佐藤利夫さん(67)=松江市浜乃木7丁目=は「臭みがなくおいしかった。店も続いてうれしい」と話す。

 市によると、21年度の捕獲頭数は約1200頭で、うち町内は約200頭。農業被害額は市全域で約530万円だった。森脇さんは「店舗がなくなってしまうのはもったいない。イノシシ肉の新しい食べ方を提案したい」と話した。

 (片山皓平)