出版した著書を手にする酒井董美さん=松江市大正町の自宅
出版した著書を手にする酒井董美さん=松江市大正町の自宅

 民話・わらべ歌研究者で、山陰中央新報文化センターの講師を務めている酒井董美(ただよし)さん(85)=松江市大正町=が、新著『新山陰の民話とわらべ歌』と『山陰の民話とわらべ歌(改訂版)』(いずれも今井出版)を発刊した。語り手や歌い手の音声を記録しており、QRコードを通じて聞くことができるのが特徴。酒井さんは「先人の教訓や風習を学んでほしい」と後世の研究や教育での活用を期待している。              

 酒井さんは約60年前から、山陰両県を中心に伝えられる民話の収録・研究を続けており、今回は18話、18曲を収録した「山陰の民話とわらべ歌」の改訂版に加え、新たに18話、18曲を盛り込んだ新編を作った。

 新編の1話を除き、それぞれの民話とわらべ歌にQRコードが付いている。調査当時の語り手や歌い手の声を聴き、子どもたちが民俗文化に触れることができる。

 新編は、島根県の出雲、石見と隠岐、鳥取県東、中、西部の計6地域からそれぞれ3話、3曲ずつを収録。このうち、米子市富益町に伝わる手まり歌「うちの隣の赤猫が」は「猫が主人公になったわらべ歌は珍しい。鳥取ではいくつか見つかったが島根ではまだ聞いていない」と、地域性の違いに言及している。

 両書とも500部制作し1980円。両県の主要書店で販売している。