「毎日どんなに暮らしてゐるかと、手紙が来ないと泣き出すほど気にかかる」(川端康成未(み)投函(とうかん)の手紙より)。文豪川端にも青春があり初恋があった。

 川端康成は典型的な私小説作家ではないが、自身の初恋を題材とした作品を驚くほど多く残している。

 このたび、発刊された『川端康成の運命のひと 伊藤初代「非常」事件の真...