参院選(22日公示、7月10日投開票)前の最後の週末となった18日、立候補予定者の前哨戦が過熱した。自民党現職の青木一彦氏(61)=2期、公明党推薦=は支持者回りを進め、立憲民主党新人の村上泰二朗氏(33)と共産党新人の福住英行氏(46)も各地で街頭に立った。 (取材班)
青木氏は午後1時半、昨年7月の豪雨で橋が崩れ、家屋の浸水被害が発生した出雲市猪目町で、約30人を前に国政報告会。任期中に国土交通副大臣を務め災害対応に当たった経験を踏まえ「国土強靱(きょうじん)化を軸に、安心して暮らせる県土をつくる」と語りかけた。
地方創生については「東京一極集中の是正と両輪で進めなければ達成できない」と述べ、活性化に向け中海・宍道湖周辺を高規格道路で結ぶ「8の字ルート」の実現を訴えた。同市大社町内でも支援者にあいさつ回りした。
村上氏は正午、JR鳥取駅前(鳥取市東品治町)で遊説をスタート。「今の政治は大企業中心の施策ばかりを展開し、個人の生活を全く考えていない」と岸田政権を批判し「子育て施策の充実と教育の無償化に力を注ぐ」と声をからした。推薦を受ける連合鳥取の関係者や立民の県議、市議ら20人と握手した。
その後、八頭郡内3カ所で街頭に立ち、若者世代のU・Iターン促進や福祉・保育業界の賃上げなどを訴えた。演説の合間を縫って、個人、団体計30カ所を巡った。
福住氏は2月の立候補表明以降、初めて浜田市入りし、中心部など9カ所でマイクを握った。
支持者ら約10人が集まった同市田町では、ロシアのウクライナ侵攻を受けた防衛費拡大や憲法9条改正への動きをけん制し「政治を変えてほしい、平和と暮らしを守ってほしいという願いに応える」と強調。物価高騰に対し「暮らしを守る特効薬は消費税減税しかない」と声を張り上げた。夕方にミニ集会を開き、住民らと1時間にわたり意見交換。「生活が苦しくなった」との声に耳を傾けた。
NHK党新人の黒瀬信明氏(37)は、公示日まで選挙区入りせず、NHKのスクランブル放送実現をユーチューブで訴えるとしている。
政治団体「参政党」新人の前田敬孝氏(60)は、倉吉市内で支援者と打ち合わせや意見交換を行い、公示に備えた。
◇鳥取・島根合区選挙区 立候補予定者(改選数1)
青木 一彦61 元国土交通副大臣 自現(2)
村上泰二朗33 元鳥取県職員 立新
福住 英行46 党鳥取県委常任委 共新
黒瀬 信明37 党職員 N新
前田 敬孝60 元琴浦町議 諸新
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表の見方 名前(敬称略)に続き、年齢、肩書、所属政党、現職、新人の別。政党の自は自民党、立は立憲民主党、共は共産党、NはNHK党、諸は諸派。丸囲み数字は当選回数。