第25回(2019年)

安倍政権の実績や憲法改正を争点とした第25回参院選は、7月21日に投開票された。安倍政権下での憲法改正に前向きな「改憲勢力」は85議席に達せず、非改選79議席と合わせて3分の2(164議席)を下回った。自民、公明両党は改選過半数の63議席を上回ったが、自民党は改選議席より減らした。
鳥取・島根合区は鳥取県日吉津村出身で自民党現職の舞立昇治氏(公明推薦)が、野党統一候補で無所属新人の中林佳子氏(共産推薦)、諸派新人の黒瀬信明氏を大差で破り、再選を果たした。合区の投票率は52・20%で、前回選に比べ7・32ポイント減。県別では島根が8・16ポイント減の54・04%、鳥取が6・30ポイント減の49・98%で、いずれも過去最低となった。
<開票結果> | (投票率:52.20%) |
---|---|
舞立昇治 | 328,394 |
中林佳子 | 167,329 |
黒瀬信明 | 31,770 |
第24回(2016年)

島根、鳥取合区制導入後初の参院選は7月10日、投開票された。安倍晋三首相(自民党総裁)が目指す憲法改正に賛同する改憲勢力は、非改選と合わせ国会発議に必要な全議席の3分の2(162議席)超となった。自民党は50台半ば、公明党が13議席以上へ伸ばし、与党で改選過半数の61議席を上回って勝利した。
鳥取・島根合区は出雲市出身で自民党現職の青木一彦氏が再選を果たした。米子市出身で民進、共産、社民、生活の野党4党が「統一候補」として推薦した無所属新人の福島浩彦氏と諸派(幸福実現党)新人の国領豊太氏を大差で破った。合区の投票率は59・52%で、県別は島根が62・20%、鳥取が56・28%だった。ともに過去最低だった前回選に比べ、島根が1・31ポイント上回り、鳥取が2・60ポイント下回った。
<開票結果> | (投票率:59.52%) |
---|---|
青木一彦 | 387,787 |
福島浩彦 | 214,917 |
国領豊太 | 15,791 |
第23回(2013年)

第2次安倍晋三内閣の評価、「ねじれ国会」の是正などが焦点となった第23回参院選は、7月21日、投開票された。自民党が現行制度で過去最多となる65議席を獲得して圧勝、非改選議席を含め参院第1党へ復帰した。11議席を得た公明党とともに参院過半数122議席を超え、衆参両院の「ねじれ」は解消された。
島根選挙区(改選数1)は、自民党新人の島田三郎氏が、みどりの風現職の亀井亜紀子氏、共産党新人の向瀬慎一氏、諸派(幸福実現党)新人の池田節子氏を大差で破り初当選。自民党は議席を奪還し、衆参4議席を独占した。投票率は60・89%で、前回を10・81ポイント下回った。
鳥取選挙区(改選数1)は自民党新人の舞立昇治氏が、民主党現職の川上義博氏、共産党新人の岩永尚之氏、諸派(幸福実現党)の吉岡由里子氏、無所属新人の井上洋氏を破り、初当選を果たした。投票率は58・88%で、前回を6・89ポイント下回り、過去最低だった。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:60.89% | <鳥取> | 投票率:58.88% |
---|---|---|---|
島田三郎 | 202,181 | 舞立昇治 | 160,783 |
亀井亜紀子 | 115,043 | 川上義博 | 82,717 |
向瀬慎一 | 26,255 | 岩永尚之 | 19,600 |
池田節子 | 6,054 | 吉岡由里子 | 6,782 |
井上洋 | 6,158 |
第22回(2010年)

前年誕生した菅直人政権への評価、消費税増税などを争点にした第22回参院選は7月11日、投開票された。改選54議席以上を目標にした民主党は44議席にとどまる大敗を喫し、与党系議席は非改選を含め参院過半数(122)を12議席も割り込んだ。改選38の自民党は51に伸ばし、改選第1党となった。
島根選挙区(改選数1)は自民党の青木一彦氏が民主党の岩田浩岳氏、みんなの党の桜内朋雄氏、共産党の石飛育久氏を抑え、初当選を果たした。投票率は71・70%で、前回を0・11ポイント下回った。
鳥取選挙区(改選数1)は自民党の浜田和幸氏が初当選。民主党の坂野真理氏、共産党の岩永尚之氏を振り切った。投票率は65・77%で、前回を1・90ポイント下回った。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:71.70% | <鳥取> | 投票率:65.77% |
---|---|---|---|
青木一彦 | 222,448 | 浜田和幸 | 158,445 |
岩田浩岳 | 151,351 | 坂野真理 | 132,720 |
桜内朋雄 | 28,183 | 岩永尚之 | 20,613 |
石飛育久 | 18,512 |
第21回(2007年)

安倍晋三内閣発足後初の全国規模の国政選挙となった第21回参院選は7月29日、投開票された。自民党は改選議席64を37に減らし、宇野宗佑首相が退陣した1989年参院選(36議席)に次ぐ歴史的惨敗。与党は過半数(122)を大きく割り、与野党が逆転した。
島根選挙区(改選数1)は、国民新党新人で民主推薦の亀井亜紀子氏が初当選。3選を目指した自民前職の景山俊太郎氏は約3万票差で惜敗した。投票率は71・81%で、前回を2・94ポイント上回った。
鳥取選挙区(改選数1)では民主新人で国民新党推薦の川上義博氏が16万8380票を得て初当選した。自民前職で公明推薦の常田享詳氏は巻き返しが及ばなかった。投票率は67・67%で、前回を3・50ポイント上回った。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:71.81% | <鳥取> | 投票率:67.67% |
---|---|---|---|
亀井亜紀子 | 217,707 | 川上義博 | 168,380 |
景山俊太郎 | 186,622 | 常田享詳 | 135,233 |
後藤勝彦 | 23,704 | 市谷尚三 | 23,380 |
第20回(2004年)

年金制度改革、イラク多国籍軍への自衛隊派遣などを争点とした第20回参院選は7月11日、投開票された。自民党は勝敗ラインの改選数51を下回る49議席にとどまった。民主党は改選38から躍進し、自民を上回る50議席を獲得した。
島根選挙区(改選数1)は自民党現職で公明が推薦した青木幹雄氏が、全59市町村で得票数トップを奪うなど25万票を超え、4選を果たした。次点の民主新人、神門至氏は、青木氏に13万票差をつけられ敗退。投票率は68・87%で、前回を0・26ポイント上回った。
鳥取選挙区(改選数1)は自民党現職の田村耕太郎氏が2002年の参院補選に続き2回目の当選。民主党新人の土屋正秀氏は終盤に田村氏を厳しく追い上げ、3万7140票差まで追い詰めたが及ばなかった。投票率は64・17%で、参院選(通常選挙)では過去最低だった前回を2・51ポイント下回った。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:68.87% | <鳥取> | 投票率:64.17% |
---|---|---|---|
青木幹雄 | 254,704 | 田村耕太郎 | 151,737 |
神門至 | 124,403 | 土屋正秀 | 114,597 |
後藤勝彦 | 30,878 | 市谷知子 | 38,688 |
第19回(2001年)

21世紀最初の国政選挙となった第19回参院選は7月29日、投開票された。自民党が比例代表で20議席を獲得。選挙区と合わせ65議席にまで伸ばし大勝した。民主党は26で改選数を超えたが、目標の27を下回った。公明は13で改選議席を維持した。
島根選挙区(改選数1)では自民党前職の景山俊太郎氏が県内全市町村で得票トップを取る完全勝利で27万3千票余りを獲得し、再選を果たした。次点の民主党新人の浜口和久氏は、景山氏に19万8千票の大差をつけられた。投票率は68・61%だった。
鳥取選挙区(改選数1)では自民党前職の常田享詳氏が厚い保守地盤に支えられ、他陣営に大差をつけ再選を果たした。投票率は66・68%で、前回を3・36ポイント下回った。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:68.61% | <鳥取> | 投票率:66.68% |
---|---|---|---|
景山俊太郎 | 273,059 | 常田享詳 | 174,574 |
浜口和久 | 75,034 | 佐藤誠 | 69,078 |
後藤勝彦 | 36,582 | 市谷知子 | 33,826 |
中島順子 | 16,075 | 山本悟己 | 21,642 |
山口昌司 | 9,812 |
第18回(1998年)

景気対策を争点とした第18回参院選は7月12日、投開票された。自民党は44議席と史上2番目の記録的惨敗を喫し、自民党総裁の橋本竜太郎首相は13日の記者会見で「すべてひっくるめて私自身の責任」と述べ、退陣を表明した。獲得議席は民主党が27と大幅増、共産党も過去最高の15と躍進した。
島根選挙区(改選数1)は、自民党現職の青木幹雄氏が県内全市町村で得票トップを取り、次点の民主党新人、田村節美氏に約9万4千票の大差で3選を果たした。投票率は73・27%で全国1位だった。
鳥取選挙区(改選数1)では自民党現職の坂野重信氏が、無所属新人の田村耕太郎氏の猛追を退けて逃げ切り、連続5度目の当選を果たした。投票率は70・04%だった。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:73.27% | <鳥取> | 投票率:70.04% |
---|---|---|---|
青木幹雄 | 212,498 | 坂野重信 | 128,085 |
田村節美 | 118,718 | 田村耕太郎 | 101,403 |
佐々木洋子 | 55,474 | 松永忠君 | 45,920 |
加納克己 | 27,591 | 市谷知子 | 40,965 |
山口昌司 | 11,808 | 沖野寛 | 4,919 |
第17回(1995年)

連立政権時代に入り初の本格的国政選挙となった第17回参院選は7月23日、投開票された。社会党は過去最低の20議席を下回る16議席で敗北。自民党は選挙区と比例代表を合わせ46議席と振るわなかった。一方、新進党は改選19議席の倍以上の40議席を獲得し躍進した。
島根選挙区(改選数1)は自民党新人の景山俊太郎氏が初当選を果たした。1989年の参院選で12年ぶりに革新議席を獲得した無所属前職の岩本久人氏は再選を阻まれた。投票率は67・09%で、1955(昭和30)年の63・15%に次ぐ低さだった。
鳥取選挙区(改選数1)では、新進党と公明の推薦を受けた無所属新人の常田享詳氏が、無所属前職の吉田達男氏と無所属新人の小野ヤスシ氏に、それぞれ9千票近くの差を付けて初当選した。投票率は67・57%だった。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:67.09% | <鳥取> | 投票率:67.57% |
---|---|---|---|
景山俊太郎 | 176,946 | 常田享詳 | 106,246 |
岩本久人 | 145,189 | 吉田達男 | 97,548 |
高島望 | 47,118 | 小野ヤスシ | 97,331 |
上代善雄 | 24,729 | 小村勝洋 | 11,653 |
第16回(1992年)

宮沢政権への賛否が問われた第16回参院選は7月26日、投開票された。自民党は議席を伸ばし、改選議席の過半数である64議席を上回る68議席を獲得。社会党は改選22議席にとどまった。最大の争点であった国連平和維持活動(PKO)協力法について宮沢喜一首相は「国民には大体どういうことか理解された」とし、信任されたとの考えを示した。
島根選挙区(改選数1)は自民党前職の青木幹雄氏が保守票を全県的にまとめ、再選を果たした。投票率は73・79%で、前回の82・32%を大幅に下回った。
鳥取選挙区(改選数1)は自民党前職の坂野重信氏が、旧全国区も含めて通算4回目の当選を果たした。投票率は67・29%と、1947(昭和22年)の第1回衆院選以降最低となった。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:73.79% | <鳥取> | 投票率:67.29% |
---|---|---|---|
青木幹雄 | 245,754 | 坂野重信 | 180,007 |
帯刀妙子 | 153,084 | 加茂篤代 | 88,937 |
上代善雄 | 26,959 | 佐々木康子 | 18,278 |
中西豊明 | 11,250 |
第15回(1989年)

消費税、リクルート事件、農産物自由化問題などを争点とした第15回参院選は7月23日、投開票された。参院は昭和30年の保守合同以降初めて、与野党の勢力が逆転した。自民党は比例代表を加えても40議席を割る36議席で歴史的惨敗。社会党は改選議席22を倍増させる46議席と、勢いを見せた。自民党総裁の宇野宗佑首相は24日、記者会見で「敗戦の一切の責任は私にある」と述べ、退陣を表明した。
島根県選挙区(改選数1)では社会党、社民連推薦の新人、岩本久人氏が初当選。消費税など全国的な追い風を受け、浮遊票をつかんだ。投票率は82・32%で、前回の86・89%を下回った。
鳥取選挙区(改選数1)は、社会党推薦の無所属新人、吉田達男氏が自民党前職の西村尚治氏を接戦の末に破り、初当選を果たした。投票率は78・71%だった。
<開票結果> | |||
<島根> | 投票率:82.32% | <鳥取> | 投票率:78.71% |
---|---|---|---|
岩本久人 | 199,195 | 吉田達男 | 180,123 |
細田重雄 | 169,500 | 西村尚治 | 154,766 |
成相善十 | 88,220 | 宅野亮介 | 14,764 |
上代善雄 | 20,143 |