世界的な木材価格の高騰が続き、国産材の需要が高まる。政府は林業を成長産業とすべく森林経営の効率化を促す中、島根県では1ヘクタール未満の所有者が6割を占め足かせとなっている。小規模山林を念頭に林業と副業を組み合わせた就労形態で担い手を確保する試みが進むが、経済的自立は一筋縄ではない。
27日朝、標高300メートルの島根県津和野町商人の山林に、チェーンソーの音が響いた。計6ヘクタールの民有地に町が植栽した46年物のスギが約25メートルに伸び、間伐期を迎えている。
作業に当たった町の地域おこし協力隊でつくる「ヤモリーズ」(5人)の鈴木龍彦さん(31)は「作業道を造って切り開き、伐採した木を2トントラックで中腹の山土場(やまどば)まで運び、8トントレーラーで搬送してもらう」と額の汗を拭う。
島根県は面積に占める森林の割合が78%に上り、全国4位の...