サポートセンターの看板を掛ける石橋大吾センター長(左)=鳥取市桜谷
サポートセンターの看板を掛ける石橋大吾センター長(左)=鳥取市桜谷

 聴覚障害のある子どもやその家族に情報提供や相談を受けるサポートセンター「きき」が12日、鳥取市内に開設された。鳥取県が県聴覚障害者協会に委託し、当事者団体が運営するのは全国で初めて。スタッフに聴覚障害のある人も入っており、経験を元に当事者や家族の不安解消に努める。

 新生児は聴覚検査を行い、障害の有無について生後3カ月までに判定を受ける。県内では年間約4500人の新生児が検査を受け、10人前後が診断を受けている。難聴の障害判定を受けなかった子どもでも、成長に伴い、聞こえにくさに不安を抱える場合があるという。
 センターは鳥取市桜谷に設置。業務内容は、進学や進路の相談、難聴児やその家族の役割モデルの

提示、家族同士の交流機会の提供。相談支援や手話通訳など6人態勢で中には聴覚障害のある人や子どもを育てた経験者も含まれ、自身の経験を伝えることも想定している。

 この日の開所式でセンター長を務める県聴覚障害者協会の石橋大吾事務局長は「子どもや家族の誰一人取り残さないよう、切れ目のない支援をしたい」と決意を話した。
      (藤井俊行)