【出雲】陶器で物語の一場面を表現する民俗芸術・平田一式飾り(出雲市無形民俗文化財)の競技大会が20日、出雲市平田町の中心部で始まった。9作品が飾り宿と呼ばれる店舗の一角に並び、特選には寺町の「やぶさめ神事」が選ばれた。22日まで。
競技大会は平田一式飾り保存会(大島治会長)が主催する。町内や団体が毎年、アイデアを練り、皿や湯飲みといった陶器を利用して一式飾りを作る。21日に飾り宿で御神幸を迎えて無病息災を祈る。
特選の「やぶさめ神事」は新型コロナウイルスやウクライナ危機の収束を願って制作した躍動感ある力作。準特選には元町の「空想とロマン、そしてわが平田への愛とシン・ウルトラマン」、宮西町の「どじょうすくい」、市場の「一寸法師」の3作品、アイデア賞には事務用品で制作された平田本町の「鎌倉殿」が選ばれた。
平田一式飾りは江戸時代後期に表具師が茶道具を使って「大黒天」を作り、近くの平田天満宮に奉納したのが起源とされる。
(平井優香)