社会福祉協議会(社協)の活動や仕事の魅力を広く知ってもらおうと、島根県社協と県内19市町村社協が、7月末に共同の情報発信サイトを立ち上げた。高齢化や貧困問題が拡大して福祉の役割が増す中、各地域で推進役としての存在感を高め、将来の人材確保にもつなげる狙い。
単身の高齢世帯の増加や子どもの貧困、引きこもりといった地域生活の課題が複雑になる一方、社協を支えてきた自治会や町内会は弱体化が進むなど取り巻く環境が変化。社協の存在を知らない若い世代もおり、広報面で課題を抱える。
7月29日に立ち上げたサイト「しまねの社協がそこにある!」は各社協が日ごろの活動を写真付きの記事で随時アップする。さっそく掲載した記事は、地元高校生と取り組む高齢者向けの買い物支援実験や、シジミ採りを通じた園児と住民の交流会の様子など、意外に知られていない社協の活動を報告している。
4月には各市町村社協でブランド推進員を配置、SNS(交流サイト)を使った情報発信も進めている。
県社協地域福祉部の岩崎正志部長は「自治体の福祉政策で社協は黒子の側面があった」とした上で、「社会に役立つ仕事をしていることをあらためて知ってもらい、地域の協力や信頼を獲得していきたい」と強調した。
(勝部浩文)