米子市立淀江中3年の中原悠月(ゆつき)さん(15)がプロの画家を目指して腕を磨いている。聴覚過敏などの影響で不登校が続いているが、小さい頃から絵を描くのが好きで国内外のコンクールで入賞経験もある。現在、鳥取市丸山町の喫茶ロマンで個展を開いており、夢の実現に向けて活動の幅を広げている。30日まで。 (岸本久瑠人)
中原さんは幼少期に絵を描くことの楽しさに魅了されて以来、頭に浮かんだ独自の世界観をボールペンや色鉛筆で表現してきた。聴覚が過敏で周囲の音が気になったり、対話が苦手だったりして通学はしていないが、現在は自宅で1日6~8時間、絵に向き合う毎日を送る。
夢は芸術の都・パリで個展を開くこと。小学6年の時に家族旅行でルーブル美術館に行き、世界の名画に触れて「いつかここに作品を飾りたい」と刺激を受けた。将来を見据え、今年から大阪市内の教室に通い、専門家からペン画やデッサンの基礎を学んでいる。
個展は中原さんを知った市内のギャラリー運営者の提案で実現。ウサギやイルカなどの動物を鮮やかな色で描いた「月夜のお祭り」や、優しげなまなざしが特徴的な「幸カエル」といった12点の力作が並ぶ。
母・理恵さん(44)もかつてプロの画家になりたかったといい「夢を一緒にかなえたい」と全力でサポートする。中原さんは「絵を見て少しでも癒やされてほしい」と来場を呼びかける。
喫茶ロマンの営業は午前8時~午後8時。水曜日定休。