「すぐに誰でもできそうなことなのに、どうして地域ではそういう動きがみられないのですか?」。先日とある大学で地域活性化の講演をしたときの学生の質問だ。
観光消費を拡大するには、旅行者の滞在時間を延ばすことが大切となる。ことさら宿泊による効果は大きく、1泊すると消費額は2、3倍増えるという。宿泊を促すには、朝や夜の目玉イベントをつくり、宿泊に誘導するというのが定番だ。たとえば、星空観察、名所の夜景、その地でしか食べられない朝ごはんの提供などが挙げられる。そこで、先ほどの質問である。おそらく、そんなことなら自分でも考えられるし、できると思ったのではないか。実のところ、そういう動きのある地域は出ているが、その学生が言うとおり、簡単なことが実現しない地域は少なからずある。なぜだろうか?
それは、地域内のしがらみが原因と私は考えている。
地域社会は現在に至るまで、...
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