以前のコラムで小麦粉の価格高騰を取り上げた。新興国の需要増加、農業大国における不作、新型コロナウイルスに伴う物流の混乱、ロシアのウクライナ侵攻、為替変動などの複合的な要因により小麦の輸入価格が高騰し、それを踏まえて政府の売り渡し価格が大きく跳ね上がったものであった。

 その後の状況を見ると、ウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症が長期化しているのに加え、前回コラム掲載時点よりもさらに円安が進んでおり、次の政府売り渡し価格の改定のタイミングである今秋に、もう一段階の価格高騰の波がやってくるリスクが高い。

 このように輸入小麦の価格が短期的には落ち着く見込みが低い中、...