国富中村古墳で見つかった馬具や刀について説明する坂本豊治主任=出雲市大津町、出雲弥生の森博物館
国富中村古墳で見つかった馬具や刀について説明する坂本豊治主任=出雲市大津町、出雲弥生の森博物館

 弥生時代後期から古墳時代後期の副葬品を展示する企画展が出雲市大津町の出雲弥生の森博物館で開かれている。ガラス玉や須恵器、折れ曲がった鉄器など約200点が並び、来場者が当時の風習に思いをはせている。10月17日まで。

 島根県を中心に鳥取、広島、岡山の4県の古墳から出土した副葬品を実物や写真パネルで展示。弥生時代後期の順庵原(じゅうなんばら)1号墓(島根県邑南町)では、ガラスの小玉や管玉が石棺の外にまかれた形で発見。まじない道具として使われたとみられる。

 時代を追うごとに副葬品の種類は増え、古墳時代中期の月坂放レ山5号墳(安来市)で甲冑(かっちゅう)、金崎1号墳(松江市)では飲食物を供える須恵器が出土。古墳時代後期には、死者の再生を阻止するために刀や剣を故意に折り曲げて副葬した。国富中村古墳(出雲市)では意図的にばらまかれた馬具や太刀が見つかった。

 出雲弥生の森博物館の坂本豊治主任(46)は「昔の埋葬時の祈りについて思いをはせてほしい」と話した。

 火曜日は休館。入館無料。 (平井優香)