今年最小の満月(左上)と最大の満月(右上)、10円玉と500円玉の大きさ比べ=満月の図はアストロアーツ/ステラナビゲータで作成
今年最小の満月(左上)と最大の満月(右上)、10円玉と500円玉の大きさ比べ=満月の図はアストロアーツ/ステラナビゲータで作成

きょうからあす、今年の最大

 今夜、つまり7月13日の夜から14日の明け方にかけて見える月は満月(まんげつ)です。そして、それは今年見える満月の中で最も大きなものです。

 地球の周りを回る月の通り道は、わずかにつぶれた楕円形(だえんけい)をしています。このため、地球から月までの距離(きょり)は一定でなく、近いところで満月になった場合は大きく見え、遠いところで満月になると小さく見えます。今年の最も小さな満月は1月18日に見えました。

 最大の満月は、最小の満月より直径がおよそ14%大きくなります。これは、おおむね10円玉と500円玉の大きさの違(ちが)いにあてはまります。ですから、今夜は月がかなり大きく見えそうだと期待してしまいますね。

 その今夜の満月は、2メートル70センチ離(はな)れたところにある500円玉とほぼ同じ大きさに見えます。一方、満月が最小のときは、同じ距離に置いた10円玉と同じ大きさに見えるということになります。この大きさの違いは、二つの月を空に並(なら)べて比(くら)べればなんとか分かるのでしょうが、実際(じっさい)にはそんなことはできませんから、最大の月を実感することは難(むずか)しいかもしれません。

 満月の大きさを正しく比較(ひかく)するには、写真に撮(と)るのがよいでしょう。今夜の月をなるべく大きく撮影(さつえい)し、数か月後の満月を同じズームの倍率(ばいりつ)で撮ると、大きさの違いが分かるはずです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)