三瓶山と星空=3月2日、大田市の三瓶自然館サヒメルの前で撮影(さつえい)
三瓶山と星空=3月2日、大田市の三瓶自然館サヒメルの前で撮影(さつえい)
三瓶山と星空=3月2日、大田市の三瓶自然館サヒメルの前で撮影(さつえい)

 私たちは宇宙(うちゅう)の中にある地球の上にいます。そんな当たり前のことをイメージしながら、夜、星空を眺(なが)めてみましょう。

 星々のほとんどは、遠くにあるため小さな点に見えているだけで、実際(じっさい)には強烈(きょうれつ)な光と熱を放つ太陽のような存在(そんざい)です。それなら、太陽の周りを地球が回っているのと同じように、夜空の星に惑星(わくせい)が回っていてもおかしくないですよね。

 現代(げんだい)の天体観測(かんそく)では、そういった遠い星の周りの惑星がいくつも発見されています。その惑星の上からこちらを向いたら、太陽がただの星として光っていることでしょう。さらに、地球に人間がいるように、そこにも知的な生き物がいて、本当に私たちの方を見ているかもしれません。

 こんなふうに星を見て想像力(そうぞうりょく)を働かせると、宇宙はどのように成り立っているのか、地球と私たちの命はどうやってできたのかなどと、疑問(ぎもん)も次々とわいてきます。最新の科学でも分からないことすらあり、謎(なぞ)を追い求めたいというわくわくした気持ちになります。

 ここ山陰(さんいん)では、県庁(けんちょう)所在地の松江(まつえ)市や鳥取市でさえ市街地を少し離(はな)れれば天(あま)の川(がわ)が分かるほどなので、どの市町村でもすばらしい星空が見られると断言(だんげん)できます。今回で連載(れんさい)は終了(しゅうりょう)しますが、そんな恵(めぐ)まれた所に住むみなさんには、星を見て、宇宙のこと、私たちを取り巻(ま)くこの世界のことを考える、大きな探究心(たんきゅうしん)を持ってほしいと願っています。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(たけうちみきまさ))

=おわり=