新型コロナウイルス感染者の「全数把握」時の手間を簡略化し、医療機関から保健所への報告を高齢者らに限定する新たな仕組みが2日、鳥取県で始まった。報告対象はこれまでの2割程度になるとみられ、県と鳥取市は対象外の感染者を支援するためコンタクトセンターを設置。早速登録を求める電話が鳴った。医療機関からは膨大な感染者情報の入力作業が軽減されると、歓迎の声が上がった。
コンタクトセンターは鳥取市保健所管内は鳥取市が、米子、倉吉両保健所管内は県がそれぞれ設置。鳥取市は対応を外部委託し、県は電話を約30回線設置して、専任職員5人と保健師に加え、本庁職員約100人の応援体制を取る。
医療機関で陽性判定を受けると、重症化リスクの低い感染者はセンター登録を促される。センターは療養中の支援物資の配布や、希望者には連絡を取り健康観察する。
2日は午前8時半の開設後、登録を求める電話が相次ぎ、午後4時時点で県が96人、鳥取市が71人を受け付けた。県のセンターを統括する清水広明参事は「陽性者に寄り添いながら進めたい」と話した。
従来は感染者全員の情報を政府情報共有システム「HER|SYS(ハーシス)」に入力していたため、数百人規模の感染が相次ぐ中で医療機関や保健所の負担が膨れ上がっていた。
鳥取市江津の県立中央病院では、これまで1日10人程度入力していたが、2日は午後4時までに感染確認した1人が対象外だったため、入力作業はゼロ。感染防止対策室の杤本浩紀さんは「負担軽減につながる」と歓迎。軽症者への支援が軌道に乗ることを願い「センターに登録する仕組みが、早く浸透してほしい」と話した。
(藤井俊行)













