隠岐の牛突き本場所の一つで最も歴史が古いとされる八朔(はっさく)牛突き大会が4日、島根県隠岐の島町上西の佐山牛突き場であった。体重340キロから980キロまでの鍛え上げられた牛12頭がぶつかり合い、闘牛ファン400人を沸かせた。
新型コロナウイルスの影響で3年ぶりとなった大会は、近くの壇鏡(だんぎょう)神社八朔祭に合わせて9月1日に開催していたが、主催の都万牛突き保存会が、飼い主や観戦客の利便性を考えて今回は休日開催とした。
牛たちとともに色鮮やかなのぼりを掲げ、ひいき衆が入場する土俵入りに続き、若く体重が軽い牛同士の芝切戦から取組が始まった。前頭の五番は引き分けになる決まりだが、闘志に火が付いた牛同士が離れない場面があった。
結びの一番となる横綱戦は4歳、900キロ台の2頭がぶつかり、観衆は緊張した空気の中、勝負の行方を見守った。
保存会の野津三男会長(69)は「5年も牛を飼ってようやく勝負ができた。後継者と牛の頭数は不足しているが、こうして大会が開催できてうれしい」と話した。