県警の防犯アプリ「みまもっち」には、痴漢対策の防犯ブザー機能が付いている
県警の防犯アプリ「みまもっち」には、痴漢対策の防犯ブザー機能が付いている
密着痴漢の例と対処法
密着痴漢の例と対処法
県警の防犯アプリ「みまもっち」には、痴漢対策の防犯ブザー機能が付いている
密着痴漢の例と対処法

 西日本新聞「あなたの特命取材班」は、痴漢に関して本紙ウェブサイトでアンケートを実施した。すると、被害に遭った人の大半は通報に至らず、自分が受けた行為を痴漢と判断していいのか迷い、相談などをためらうケースも目立った。(西日本新聞・黒田加那)

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 アンケートには、8月24日までに39人が回答した。

 その結果によると、「痴漢行為に遭遇した」のは約8割。女性がほとんどだが、男性も1人いた。痴漢に遭った場所は、電車内が約6割と最も多く、路上や商業施設・店舗内などもあった。

 具体的な被害内容を複数回答可で聞いた。

 「性器や胸、尻を触られた」=17人▽「座席の隣に座り、必要以上に体を密着させる」=17人▽「(性器・胸・尻以外の)体を触られる」=9人──の順。このほか、「性的な画像を見せる、送りつける」「ひわいな呼びかけ」「服の中をのぞかれる」なども挙げられた。

密着痴漢の例と対処法

 痴漢を受けた人の9割超は、警察に通報できなかったようだ。例えば──。

 体を触られたり、密着されたりしたという福岡市の会社員の女性(39)は「その場を動くことが怖かった。とてもじゃないが声も出せない」と振り返った。「証拠がないことで通報を諦めた」との回答や、「どこまでを痴漢と言えるのか分からなかった」(福岡市の40代自営業の女性)との声も。

 防止策のアイデアも募ってみた。

 北九州市の女性(20)は「電車内で被害に遭った時に押すと、車掌や次の停車駅の駅員に伝わるボタンの導入」を提案。被害を即時に通報・共有できるスマートフォンのアプリ開発を求める声も多かった。また、「防犯カメラの設置」や、「(広報で)具体的に行為例を示し、それが痴漢になり得ると啓発する」との意見が寄せられた。