オリックスは15日、鳥取城北高校出身の能見篤史投手兼任コーチ(43)が今季限りで現役を引退すると発表した。プロ18年目の現役最年長投手として臨んだ今季は4試合の登板にとどまっていた。通算成績は15日時点で473試合104勝93敗4セーブ、防御率3・35。
高校時代は、同学年でオリックスに入団した川口知哉投手(京都・平安高)、阪神で活躍し大リーグにも挑戦した井川慶投手(茨城・水戸商高)と並ぶ「高校生左腕三羽がらす」と騒がれながら、甲子園には縁遠かった。高校2年夏は、鳥取大会決勝で連投の疲れから先発を外れ、リリーフに回るもあと一歩で涙をのんだ。雪辱を期そうと、2年秋は中国大会の4強に進出。勝てば選抜出場が決まる準決勝、1点リードで迎えた終盤に3点本塁打を打たれて届かなかった。最後の夏は、腰を痛めて不十分な状態で臨み、まさかの2回戦敗退を喫した。
能見 緊迫の場面で奪三振 引退セレモニー「18年間、幸せだった」
その悔しさが、104勝を挙げた球界最年長左腕の糧となったのかもしれない。高校時代、甲子園に見放された選手が、その後、縦じまのユニフォームに袖を通し、甲子園を舞台にファンを魅了し、トラのエースとして大活躍した。能見選手の高校時代を当時の紙面で振り返る。
<2年夏>
1996年7月29日 鳥取大会決勝 鳥取城北0-6八頭 連投の疲れもあり、能見は...








