東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ、国の原子力規制委員会が発足して19日で10年。安全対策の強化で原発の再稼働が停滞する一方、規制委に対する国民の視線は依然として厳しい。政権が原発の積極活用に大きくかじを切る中、事故の教訓である規制の独立を維持できるかどうかが課題だ。

 「信頼回復はずっと続くプロセスであり、まさに道半ばだ」。唯一、発足時から委員を務めた更田豊志委員長は10年を振り返り、こう強調...