安来市民のソウルフードとも呼ばれる「鶏皮どて煮」がレトルト商品になった。提供する「居酒屋 竹る」(安来市安来町)が発売した。かつて市内の焼鳥店で市民に愛された名物で、受け継いだ竹るでもダントツの人気。「家庭でも楽しんでほしい」と語る。
竹るの鶏皮どて煮は鳥取県産の鶏皮を青砥酒造(安来市)の日本酒や小西本店(松江市)のみそで煮込む。2019年5月の竹る開店前に同じ場所にあった焼鳥店の名物だった。竹るを営む森本充俊さん(42)が、レシピを知る市内の中華料理店から教わり、味付けを工夫して20年から店で出している。
レトルト商品開発は、新型コロナウイルス禍で客足が遠のく中、山陰合同銀行安来支店担当者の「缶詰か何かにできるのではないか」との提案が発端。合銀の紹介で、レトルト食品加工も手がける総合商社・石田コーポレーション(米子市米原8丁目)と組み、今年2月から開発を進めた。
レトルト加工だと味が染み込みにくいため試作を重ね、常連客も納得する味に仕上げた。7月に店で販売を始めると「親戚に送りたい」とまとめ買いする客がいるなど好評で、1カ月で300個売れた。
レトルト商品は120グラム入り、648円。今後は、親子丼など活用のアイデアも練ってレシピを添える。問い合わせは竹る、電話0854(26)4500。 (桝井映志)