松江市沿岸部で海岸清掃や漂着ごみのアート制作に取り組む若者グループ「しまねLINK」が、海の暮らしをテーマにカードゲームを完成させた。日本海側の生活の悩みに対し、物や人、場所、行事といった地域資源を記したカードを組み合わせ、即興で解決する物語を考え、発表し合うユニークな内容。メンバーは「楽しみながら海の暮らしを考えてほしい」と願う。 (片山大輔)
グループは島根大の学生と地域おこし協力隊員の計10人で構成し、島根、鹿島、美保関の3町で環境保全活動を展開。カードゲームは県外の事例を参考に地域への理解を深め、課題解決を考えようと開発した。
ゲームでは「人が少なくて自治会の役や行事の当番がすぐ回ってくる」など住民の悩み事と職業、年齢、家族構成を記した「きいてカード」(40枚)と、「海水浴場」「元気な高齢者」「とんどさん」といった地域資源を表記した「おたからカード」(60枚)の2種類を使用。4~6人で1回30分間で楽しむ。
参加者におたからカードを7枚ずつ配布し、じゃんけんで勝った人から親となって開始。親はきいてカードを1枚引いて内容を読み上げ、親以外は手持ちの7枚のうち最大3枚を組み合わせ、1分間で解決物語を発表。親が一番いい物語を選ぶ仕組みとなっている。
親を時計回りで交代して繰り返し、2周するか制限時間になれば終了し、一番に選ばれた回数の多い参加者が優勝。多様な持ち札から自由な発想で課題解決の方法を考えるのが特徴だ。
カードはトランプと同じ大きさで100セットを製作。地域を知るためのツールとして企業向けの販売を視野に活用策を検討中で、メンバーの岸崇将さん(42)は「海の暮らしを知り、自分事として関わるきっかけになればうれしい」と話した。
問い合わせは同団体、メール5374@shimanelink.com