生垣産業が営む食事処みのや=島根県津和野町後田
生垣産業が営む食事処みのや=島根県津和野町後田

 飲食店などを経営する(有)生垣産業(島根県津和野町後田、生垣祐介社長)は、東は海老名(神奈川県)、西は基山(福岡県)までサービスエリア(SA)のテイクアウト販売店18店を展開する隠れた全国区企業だ。4月までに新たに団子の自社製造と販売を始めた。衛生管理に力を入れ、地元から県外へ販路拡大を目指す。

 同社は1974年にJR津和野駅(同町後田)そばに食事処「みのや」を開店した。27年前に高速道路SAへの出店を始め、串焼きや揚げ物、から揚げ、天ぷら、餅のテイクアウトなどを展開し、業容を拡大してきた。

 コロナ禍で近年、観光需要が激減。そこで消費が落ち込まなかった内食向けの商材に目を付けた。国の事業再構築補助金を活用し、同町中座の元飲食店を改装。食品衛生国際基準「HACCP(ハサップ)」に準ずる衛生管理を取り入れ、賞味期限が半年と保存の効く団子の自社製造に着手した。地元のスーパーや道の駅などで販売する。

 ターゲットの年齢層が高そうな団子だが、津和野高校の文化祭に出店すると、用意した100本が完売し、「かわいい」と若者受けも上々だった。特産の豆茶味もあり、今後も地元産品などとのコラボレーションを模索しながらプライベートブランドに育てる。

 2022年度に年間50万本の製造、従事者も現在の2人から5~6人への増員を目指す。生垣社長は「できるだけ津和野のものを使い、まずは津和野に拠点を設け、津和野で売りたい。そこから県外にも広げていきたい」と話した。