フジバカマの花畑に飛来したアサギマダラ=島根県津和野町中座
フジバカマの花畑に飛来したアサギマダラ=島根県津和野町中座

 数千キロ移動し「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが島根県津和野町中座に飛来し、フジバカマの花の間を飛び交っている。4~6センチの薄い青緑色の羽に黒っぽい模様があるチョウの群舞を楽しみに、見物人が連日訪れている。

 フジバカマは耕作放棄地20アールでショウブとともに植わる。同町町田の山村幸弘さん(76)が10年前に借りて栽培。昨年はアサギマダラ数百匹が飛来し見物人が来るようになった。

 山村さんは、越冬のため数千キロ移動するという「渡り」の謎を解明するため民間有志でつくる「アサギマダラの会」(大阪府池田市)に入会。メーリングリストに登録して全国の仲間と情報共有するとともに、マーキング調査で行動を追跡している。

 晴天の日は花畑に出かけてチョウを捕獲し羽に油性ペンで地名、調査日、調査名など記載し識別情報を記入して放す。今年は9月30日に始め、100匹をマーキングする予定。山村さんは「今までに富山県、石川県、福島県からの飛来が確認されている。見物に来る人たちが癒やされることを願っている」と語った。

(青木和憲)