本番まで残り1カ月を切り、稽古に励む出演者=松江市美保関町七類、メテオプラザ
本番まで残り1カ月を切り、稽古に励む出演者=松江市美保関町七類、メテオプラザ

 松江、出雲両市で11月に上演する県民参加型のミュージカル「あいと地球と競売人」の稽古が、本番を間近に控え熱を帯びている。12歳で亡くなった原作者の坪田愛華さんの地元・出雲市斐川町では17年ぶりの公演で、東京からプロ奏者を呼び生演奏を9年ぶりに復活させる。環境問題を訴えた坪田さんの思いを伝えようとキャスト総勢約90人が心一つに舞台で躍動する。

 子どもたちが地球環境悪化に立ち向かう物語で、坪田さんの漫画「地球の秘密」が原作。稽古は4月末から毎週実施。演出担当の和田史朗さん(74)=松江市苧町=は「あいちゃんの地球に対する思いをいかに伝えるかが課題」とし、歌や動き、表情を指導する。

 15日に松江市美保関町七類のメテオプラザであった稽古では、顔の向きなど細かな動きを確認。主人公の「あいちゃん」は公演ごとに3人が交代して演じ、松江での2公演を務める米子市立福米中1年の桐原琴音さん(13)は「歌詞に『君がいるから生きる勇気がわく』とあるように、人との関わりの大切さを伝えたい」と意気込んだ。

 松江市はメテオプラザで11月3、5、6日に計6公演、出雲市斐川町荘原の斐川文化会館では同20日に計2公演。前売りは高校生以上が2500円(当日3千円)、3歳~中学生が2千円(同2500円)でメテオプラザ(電話0852・72・3939)などで販売。活動資金を募るクラウドファンディングも行う。

       (小引久実)