浜田市三隅町の城跡7カ所で30日、地域住民がのろしを上げる「三隅城のろしリレー」があった。鎌倉時代などに威勢を誇った三隅氏の本城・三隅城と、六つの出城があった山の頂からそれぞれ枝葉をたき、中世の情報伝達手段を体験した。
地元の歴史に思いをはせ、地域の連帯を深めようと有志らでつくる実行委員会が企画し、14回目。住民は三隅城があった高城山と、針藻城、茶臼山城などの出城があった6カ所に分かれて集まった。
標高約360メートルの高城山では10人がまきを組み合わせたのろし台に木の枝葉を入れて着火。パチパチと音を立て炎とともに白煙が勢いよく立ち上った。約4キロ離れた針藻城跡などからも呼応して煙が上がった。
実行委員会の亀谷賢会長(75)は「風が強かったが、いい煙が出て上出来だった」と話した。
(中村成美)