2023年夏の公開を目指して制作が進む映画のプロモーション動画の一場面(楽園のつくりかた制作委員会提供)
2023年夏の公開を目指して制作が進む映画のプロモーション動画の一場面(楽園のつくりかた制作委員会提供)

 島根県邑南町の食と農を生かしたまちづくり「A級グルメ」の仕掛け人で、元町職員の寺本英仁さん(51)の活動を追ったドキュメンタリー映画が2023年夏、全国で公開される。22年春に町役場を退職し、全国を回って地方創生に取り組む姿を放映する。

 監督を務めるのは出雲市出身で、東京都内のドキュメンタリー制作プロダクションに勤務する藤原淳さん(38)。「情熱大陸」や「ガイアの夜明け」などのドキュメンタリー番組を手がけた経験があり、出身地の島根県に関係した映画の制作を考える中で寺本さんと出会い、活動を知って映画化を思いついた。
 

地方創生の取り組みへの思いを話す寺本英仁さん(左から2人目)=島根県邑南町内

 映画は寺本さんが北海道鹿部町で若手職員に研修をする様子や、全国の自治体の特産品を扱う東京都内のアンテナショップでの活動などを取り上げる。寺本さんの活動を通して、今後の日本が目指すべき地方と都市の在り方などを考える1時間半の内容を予定している。

 撮影は22年4月から23年3月まで1年間、藤原さんが寺本さんに密着して行う。撮影開始から半年が経過し、全体の半分ほどの撮影状況だという。23年夏から都市部の映画館で公開後、地方でも順次、公開する予定。
 

映画の制作発表会で地方創生の取り組みへの思いを話す寺本英仁さん(左から3人目)=島根県邑南町内

 10月18日に邑南町内で映画の制作発表会があり、プロモーション動画が公開された。寺本さんは「全国の自治体を元気にしようと活動しているのを見てもらい、少しでも参考になればうれしい」と話し、藤原さんは「寺本さんの地方への思いや取り組みが伝わり、日本のモデルとなるような映画にしたい」と意気込んだ。

 映画制作に向けてはクラウドファンディングサイト「READY FOR(レディーフォー)」で300万円を目標に寄付を募る。サイトはこちらから
   (糸賀淳也)