島根県立美術館2階ロビーに展示されているロダンの「ヴィクトル・ユゴーのモニュメント」=松江市袖師町
島根県立美術館2階ロビーに展示されているロダンの「ヴィクトル・ユゴーのモニュメント」=松江市袖師町

 開館準備中の鳥取県立美術館で巻き起こった美術品購入を巡る賛否。島根県の購入実績はどうか。これまでの最高額は県立美術館(松江市)の2階ロビーに常設するフランスの彫刻家ロダンの「ヴィクトル・ユゴーのモニュメント」で約3億5200万円。県立石見美術館(益田市)の収蔵作品で最高額は洋画家黒田清輝の油彩画で8400万円だった。

 両美術館とも地元ゆかりの作家・作品を軸にした収集方針で、県立美術館は水にまつわる作品や版画、写真、石見美術館は森鴎外ゆかりの作品やファッションと特色がある。

 購入には2006年度に10億円で設置した基金を充てている。10~21年度は購入しておらず、22年度は県立美術館が県出身で江戸後期に活躍した絵師堀江友聲(ゆうせい)の日本画3点を計1100万円、石見美術館は写真家・松江泰治氏の作品34点を計900万円で買い入れた。

 購入額が単品で1億円を超えた作品は「ヴィクトル-」を含め計6点あり、すべて県立美術館に所蔵。ゴーギャンの「水飼い場」が1億8千万円、モネの「アバルの門」が1億6500万円だった。  (白築昂)