100歳の元日本兵・坂上多計二さん=鹿児島県姶良市=は、終戦目前、フィリピン・ミンダナオ島で目の当たりにした「地獄」を語り継いでいる。食料は尽き、多くの仲間を失った。「ジャングルのどこに行っても死体の腐ったにおいがした」「追い返した日本兵は翌日に亡くなった。遺体の周囲には家族の写真が…」。長らく体験を語らずにいたが、重い口を開いたのは約10年前のこと...