赤ハゲ山を下りながら、ガイドから名垣(手前)の歴史を聞く参加者=島根県知夫村
赤ハゲ山を下りながら、ガイドから名垣(手前)の歴史を聞く参加者=島根県知夫村

 【知夫】島根県知夫村で5日、赤ハゲ山と国指定名勝の赤壁を巡るハイキングツアーがあった。松江市からでも日帰りで楽しめることをアピールしようと知夫里島観光協会が企画。参加者23人は、独特の地形や野花を楽しんだ。

 一行は知夫村の玄関口、来居港に午前11時半に集合し、バスに乗って赤ハゲ山に移動。標高325メートルの山頂にある展望台で、観光協会のガイドから「海水の入ったカルデラは、ギリシャのサントリーニ島と島前カルデラの2カ所だけ」との説明を受けた。

 下山途中は、畑作と放牧を交互に行うための仕切りとして使われた石垣(名垣(みょうがき))や約40年前の水害で使われなくなった棚田跡、島内で一番最後に咲くとされるオキノアブラギクの黄色い花を眺めた。最後に約80メートルの切り立った断崖の上にある赤壁の展望所で大自然の迫力を感じた。

 その後バスで来居港まで戻り、午後3時の内航船で西ノ島へ。七類港(松江市美保関町七類)行きの帰りのフェリーへ乗り継いだ。家族で参加した海士町海士の公務員、五島典英さん(38)は「歩くことで植生をゆっくり見ることができた」と満足した。

(鎌田剛)