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中世に益田を治めた豪族・益田氏の祝い膳を基に、地元の市民グループ「中世の食再現プロジェクト」がオリジナル弁当を完成させた。戦国大名・毛利元就をもてなした料理記録から再現し山海の恵みが満載。20日に益田市内で開かれる日本遺産PRイベントで披露する。
祝い膳は益田氏第19代当主・藤兼と息子の元祥が1568(永禄11)年、毛利氏の居城・郡山城(広島県安芸高田市)を訪れ、和睦のための供応料理として莫大(ばくだい)な贈り物とともに元就に振る舞った。益田氏伝来の古文書・益田家文書には「はむ」と呼ばれるはんぺんなどの料理やアユ、サケ、カモ、昆布、数の子など、現代でもおなじみの食材の記述が残る。
中世の食再現プロジェクトは記述から、当時の製法による日本酒や「煎(い)り酒」と呼ばれる調味料を再現してきた。弁当は益田市駅前町の飲食店シェフ、沢江はるなさん(31)の協力で完成。地元産アユの炊き込みご飯やはんぺん、サケのみそ焼きなど7品を盛り付け、当時の日本酒や煎り酒を使い現代風にアレンジしたという。
沢江さんは「アユの炊き込みご飯は往時の調理をイメージして土鍋で炊いた」とこだわりを紹介。プロジェクトの岩井賢朗事務局長(55)は「歴史に思いをはせて食べてほしい」と述べた。
20日は日本遺産フェスのイベントの一つとして、妙義寺(益田市七尾町)で開かれる「中世の食を味わう」で披露され、来年1月以降は一般向け予約販売を予定。税込み2500円。
問い合わせは市観光協会、電話0856(22)7120か、沢江さんがシェフを務めるMASCOS BAR&DINING(マスコス バー アンド ダイニング)、電話0856(25)7709。