最近、痛感したが、中小企業には何から何まで不足している。経営資源はヒト、モノ、カネ、情報というが、本当にすべてが不足している。その状況で社長は日々格闘をしているのだから、「貴社の課題は何ですか?」というのも愚問であろう。
中小企業が持続的な成長を遂げるには、一定規模の経営資源を確保していくことが必要と考えている。もちろん、大きければいいというわけではない。業種ごとに適正な規模感というのが存在する。
先日、経済産業省のサポイン事業に採択されたA社から相談を受けた。サポイン事業で受ける補助金では十分な研究開発ができないため、不足分をファンドからの資金で補いたいという。このサポイン事業は中小企業の研究開発、試作品開発を支援する事業で、わが国のものづくりを支えることを目的としており、これまで2千社以上の支援をしている。
A社は、金属加工を中心とした製造業で、売り上げが5億円、営業利益が2千万円、総資産は10億円になる。この規模の事業者は研究開発資金が十分ではないから、...
【今週の視点論点】持続的な成長を遂げるには 一定の事業規模が必要 / 地域経済活性化支援機構代表取締役専務 渡邊 准
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