京都には、ものづくりの「御三家」と呼ばれる会社がある。日本電産、京セラ、村田製作所の3社だ。いずれも売上高が2兆円を少し切る程度で規模的に近く、ニッチ市場で高いシェアを持つ「部品」を売る事業が強い点も共通している。

 違う点は、日本電産以外は「脱創業者」をした点だ。京セラは、創業者の稲盛和夫氏には息子がいないため、創業家の人間が経営を継ぐことはなく、4年で社長が交代する仕組みを作った。そして名誉会長に退いていた稲盛氏は直接経営に関与することを嫌った。

 その稲盛氏が今年8月24日、90歳で鬼籍に入った。稲盛氏と言えば、...