早いもので今年も10月。

 2022年10月は日本に鉄道が走って150年であるが、金融経済の世界では「金融再生プログラム」から20年という節目に当たる。

 金融再生プログラムというのは、バブル期に膨張した金融機関の不良債権処理を迅速に行おうとの施策であり、竹中金融担当大臣が大なたを振るった。

 まずは大手銀行の不良債権問題を早急に解決すべく、大手銀の不良債権比率を2年余りで半減との目標を立てる一方、地域金融機関(地銀・信金信組)の不良債権処理については、大手銀とは異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」という観点から進めることになった。

 2年間で不良債権半減というハードランディング施策で多額の損失を余儀なくされた大手銀行は合併を重ね、...