懇意にしている地方銀行の方から講演依頼があった。A市の職員に対し、観光地の活性化の取り組みを語ってほしいというのだ。早速、A市が公表している観光基本計画を入手した。
中心的な観光スポットは鍾乳洞であるが、この10年の観光客は減少の一途で、現在は3分の2まで落ち込んでいる。それ以外の観光スポットは、魅力的に見えるものもあったが、その認知度の低さからか集客数は乏しく、当地は鍾乳洞だけに日帰りで立ち寄る観光地となっている。それゆえ、観光基本計画では、鍾乳洞および周辺観光スポットの磨き上げをし、周遊を促し、滞在時間を延ばすことで当地での観光消費額の増大を目指すとしている。そのための具体的な推進施策は10項目に上る。
この観光基本計画は、実態の把握から課題の抽出、そのための解決施策まで理路整然と書かれている。しかし、どうも引っかかる。「やるべきこと」は書かれているが...
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