1ドル150円にまで達する急激な円安を受けて、「安いニッポン」が注目されているが、安いのは為替だけではない。経済協力開発機構(OECD)の中で主要国が賃金を伸ばす一方で、日本は30年と賃金が上がらず、2015年には韓国に抜かれている。

 国税庁は9月に「民間給与実態統計調査」を発表し、21年の全国の平均年収が443万円であることが分かった。前年より年間10万円上がったものの、物価上昇分を考えれば横ばい状態だ。正社員だけの平均年収は508万円、正社員以外は198万円となっており、非正規社員が増える中では、依然として厳しい生活環境に置かれる人が多くいることがうかがえる。

 全体平均が上がらないのは、...