2023年度での運行終了が決まっているJR木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」が23日、今季最後の運行を終えた。停車駅のJR木次駅(雲南市木次町里方)では小雨が降る中、駆け付けた雲南市職員や鉄道ファンらが、横断幕や旗を持って乗客を見送った。
午前10時過ぎ、JR出雲市駅発のおろち号がJR木次駅に到着した。ホームに集まった市職員ら約20人が満席となった列車を見送った。
ツアーで訪れた兵庫県西宮市の会社員中津正允さん(42)は発車を前に「初めて乗車する。貴重な体験ができてうれしい」と話した。
見送った市うんなん暮らし推進課の金森里志課長は「あと1年で運行終了は残念。普通列車にも乗っていただけるように、イベントや普通列車のラッピングなどを通して木次線全体を盛り上げたい」と述べた。
おろち号はディーゼル機関車、客車、トロッコ車の3両編成。定員64人で、毎年4~11月の週末を中心に、主に木次―備後落合(広島県庄原市)間を運行する。今季は4月10日に運行を始めた。昨季より2日多い122日走り、乗客数は4千人増の約1万5千人だった。 (山本泰平)