シクラメンの出荷作業に打ち込む生産者=出雲市斐川町上庄原、常松園芸
シクラメンの出荷作業に打ち込む生産者=出雲市斐川町上庄原、常松園芸

 冬の鉢花として親しまれるシクラメンの出荷が、島根県の主産地・出雲市斐川町で最盛期を迎えた。農園ではピンクや赤、白、紫といった色とりどりの花が咲き誇る。

 シクラメンはサクラソウ科の多年草で、地中海沿岸が原産。県内では今季、16戸が計33~34万鉢を育て、年末まで県内や山陽、関西、九州など各地の市場へ出荷する。

 出雲市斐川町では8戸が栽培。同町上庄原の常松園芸はハウス6棟で約50品種、2万鉢を生産する。昨年12月に種をまいて以降、夏場の高温続きで生育環境は良くなかったというが、例年通りに開花した。

 園主の常松哲夫さん(49)によると新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要と物価高が影響し、小鉢の引き合いが強まったという。「第8波に入り、自宅で過ごす時間がまた増えるだろう。花を見て癒やされてほしい」と話し、古い花びらや枯れ葉の除去作業に打ち込んだ。

 (奥原祥平)